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デジタル=高品質??

 テレビやラジオのコンテンツのデジタル化(映像や音声のデジタル化)が促進されている昨今、「デジタル=高品質」といった物言いをよく耳にする(或いは目にする)。



 コンテンツの提供者にとって、デジタルであることは編集効率の向上やサービス形態の幅が広がるという点でメリットが大きい。しかし、コンテンツを享受する側にとってのメリットを考えた場合、本来は「高品質」と言い切ることはできないはずだ。(メディアでは高品質であると声高に言っているが、宣伝のためであって検証は十分ではない。)



 デジタルがアナログより高品質と言い切ることには市場にCDが出回ったころから違和感があった。アナログ音源をデジタル化するのは、アナログ音源の現状の質を維持するメリットがあるが、これはデジタルが高品質なのではなく、アナログが高品質であるがゆえにデジタル化してその品質を維持するということなのではないか。



 一見、屁理屈のように思える(書いている私にもそう思えてきた)が、アナログとデジタルの違いは何なのか、劣化に強いのは確かにデジタルであるが、コンテンツの品質についてもデジタルが勝っていると言えるのか否か、消費者はメディアの意見に惑わされずに考え直すべきであろう。



 どうしても効率がよいものにすべてが偏ってしまう傾向にあるが(産業界は効率がよいものを推し進めて品質については軽視することが多い)、それぞれの長所を生かした多様なサービスを構築するのが、本来のすすべき道だと思えてならない。