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『「おたく」の精神史』

 

著者: 大塚 英志
タイトル: 「おたく」の精神史 一九八〇年代論


 これは面白かった。しかし、周辺知識が無いと話についていくのが大変だ。



 『「おたく」という語は一九八三年の『漫画ブリッコ』六月号で中森明夫によって現在の意味で初めて用いられた、といわれている。しかし、中森が「おたく」をこの年に「発見」したのは恐らく偶然ではない。』



 上記の表現からおたくの精神史の分析が始まる。一九八〇年代のサブカルチャーがどういったものであったか、「おたく」寄りの視点で紹介している。著者はそれを外部から見て研究したわけではなく、その潮流に身を置いた者として記述しているので、臨場感がある。



 「おたく」「サブカルチャー」「80年代」の文化や流行について興味がある人は、読んでみるとよい。文化のみならず社会事象との絡み合いも興味深い分析がそこにある。