niwacchi.log

niwacchiのログ。

『ザ・サーチ』

ジョン・バッテル, 中谷 和男
ザ・サーチ グーグルが世界を変えた


 グーグルとサーチエコノミーについて。その生い立ちから、内面まで。多分、客観的だと思う。



 グーグルは本当にしたたかな会社だと思う。全てが(というのは言い過ぎかもしれないが)、戦略的な行動なんだ。そこには無邪気さというのは感じられない。サーチ・エコノミーの勝ち組としての戦略が描かれている。一方、この業界では珍しいであろう信念を貫くための経営姿勢。それが株式の二重構造の立場をあえて選択したことに現れている。

 さらに、検索エンジンというものがビジネスとして成り立つ仕組み、サーチエコノミーという観点についても詳しく書かれていて非常に面白い。なぜ、グーグルが注目を集めるのか、なぜ驚異的な成長を続けるのか、その理由が垣間見える。



 私はグーグルのシンプルなインタフェースなどにも惹かれていたが、まさにそれこそが戦略なんだということ。これだけの成長を続ける企業ならば当然なんだということ。そして、テクノロジーで情報を扱う。可能な限り人間の意思を拝したランク付けを行うアルゴリズム信奉。それでも、人間による操作を配しきることはない暗部も抱えつつ、批判も受けながらも成長し続けている。恐ろしさすら感じる。



 大げさな文句になってしまったけれど、それだけ考えさせられる。このままグーグルでいいのか、と。