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『現実を知らずして・・・・』

http://www.okutani-reiko.com/03column/index.html



 素人がブログで論じるならば許されるレベルであるが、国の政策に関わる人間には許されないレベルの分析だ。


 研究者という職種について、それで飯を食っているならばあくまで「仕事」と考えるべきで、他人が「どこまでが仕事で、どこまでがプライベートか分からない」という視点で論じるべきではない。せいぜい感想レベルでとどめるべき。政策の根拠にするのはもってのほかだ。


 働き方の多様化として「自宅作業」について論じているが、これもまったくお粗末な分析だ。成功するケースのほうが少ないのだ。ただし、これには矛盾点もあって、自己管理の訓練があまりされていない日本の労使関係が成功ケースを少なくしているともいえる。

 個人だけの問題であれば、とっくに各々が自由裁量で仕事をしていくと思うが、そうは問屋がおろさないのだ。(まさに“問屋がおろさない”)

 まず、仕事はチームで行うケースが多い。相当なスペシャリストであれば別だが、そうでなければチームワークになるのがほとんどだ。この時点で個人レベルでの多様化は成立しがたくなる。結局は会社に通勤することを余儀なくされる。

 ソフトウェア開発なので、ネットワークが整備されている昨今、自宅作業も可能であると考えるのも安直だ。逆にセキュリティの不備による不祥事続きで逆行している現状だ。


 さらに、法律についても述べているが、判例を見る限り、労使のどちらに法律が味方するかということは、多分に経済情勢の影響を受ける。そして、判例という考え方自体、「裁判所は個々のケースに沿って理性的な判断を出していけばいい」ということを妨げる。ただし、このような意見を言い続けるのは大事なことだ。しかし、政策に関わる人間については、現実をまずきちんと知ることなくしては成り立たない。


 自己管理ができればよいが、個人も社会もそこまでたどり着いてない。政策で労使関係をコントロールできるほど経済は甘くないと思う。