- 森見 登美彦
- 夜は短し歩けよ乙女
まず、文体はよいが、ヒロインと私(追っかけの男性)の視点の切り替えがやや煩わしい。そして、結構長い。淡々と続くストーリーなので(悪く言えばだらだらと書いている)、文体の小気味よさも視点の切り替えも逆効果になってしまっている気がする。この文体で書くなら、適度の勢いを持たせるか、すっきりと短めにまとめるかしないと読むほうもいささかキツイ。
帯を見ると、どうやらヒロインが大人気のよう。ある意味「萌えキャラ」であるのだろう。人気もヒロインのキャラクターによるところが大きいと思われる。そこが楽しみどころで、前述の欠点をしてなお読みたいというか否かと迷うといったところ。