- 瀬尾 まいこ
- 幸福な食卓 (講談社文庫 (せ13-1))
10代の主人公とその家族。父は父をやめ、母親は家を出て一人で暮らしている。兄もやや変わり者。それでも家族がバラバラなわけではない。そんな主人公と家族の触れ合い、家族に守られている様を描く。
主人公の恋愛もある。これがすごく10代らしい恋愛。その過程によって傷つく主人公も家族が守る。昨今の恋愛小説は当事者の年齢を超えた壮大なものも多く、またそれが人気があったりするが、現実味に欠ける気がする。本作の中ではその人間の触れ合いが現実的で、それが読み手も受けとめ易くなっている要因かと思う。
映画のほうもDVDで観たが、出来がいい。小説同様、しみじみとした作りで邦画の良さをしっかり持っている感じだった。