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思考の整理学

外山 滋比古
思考の整理学 (ちくま文庫)


 外山滋比古のエッセイ。冒頭から、知識を身につけることに長けるだけではなく、創造できることが大切だとの立場から、前者をグライダー、後者を飛行機に例えつつ、全33編のエッセイが掲載されている。

 前半は概ねタイトルどおりで、知識や思考を効果的に整理していく方法を書いている。手帳やノートやスクラップの使い方など。また、情報を「忘れる」「捨てる」ということも「整理」のひとつだということについても言及がある。今流行りのハックってやつだ。元々の刊行が1983年ということもあってか、コンピュータを利用したハックについては記述が無い。

 後半が概ね、「創造的に思考する」ということについて。



 これは読む年齢が若ければ若いほどよい。極端な範囲は除いても、小学生くらいから読んだっていい。既に刊行されていから20年以上経つわけだが、当時から学校教育のありかたに警鐘を鳴らしていたにもかかわらず、20年後には底辺のピークを迎えてるわけだ。

 「創造的であれ」ということは特別なことではなくて、考え方次第、思考の整理次第だということを示唆している。帯がついていて、「もっと若いときに読んでいれば…」と書いているが、そんなことは無い。むしろ、今からでも全然遅くないと思わせる内容だった。