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かえっていく場所

かえっていく場所 (集英社文庫)

かえっていく場所 (集英社文庫)

 椎名誠を読むのは6、7年ぶりかもしれない。生い立ちを題材にした自伝的私小説にすかっりはまっていたのだが、今回もその類い。『銀座のカラス』(これは改題されたかもしれない)あたりでは若くてエネルギーに溢れていた彼も、本作ではちょっと弱さが垣間見える。年をとったな〜と思う。それでも、本作の内容もひたすら旅の話。連載企画上のことなのかもしれないが、とにかく家にじっとしていないようだ。
 一見すると旅の話ばかりだが、本書のタイトルは「かえっていく場所」。家族のそれぞれの行動を描きつつ、彼なりにそれぞれの「かえっていく場所」ということについて模索しているのかもしれない。