『灰色のピーターパン』

　IWGPシリーズ６作目。前作(５作目)は結構駆け足で読んだせいか、今振り返ってみるとあまり印象が強く残った感じがない。本作は、改めてこのシリーズから教えられた感じがした。それが、主人公と他の登場人物のやりとりであったり、気持ちのぶつけ方であたり。どう見ても裏の世界の話なのだが、登場人物たちは、良きにつけ悪しきにつけ思うまま純粋にまっすぐに行動する。そんな部分から自分の最近の行動や言動について考え込んでしまった。
　石田衣良はいろいろなジャンルの作品を書いているけど、このシリーズを書いているからこそ、広いジャンルで書いていけるのではないかと、勝手に思ってみた。

灰色のピーターパン―池袋ウエストゲートパーク〈6〉 (文春文庫)