本書に載っている事例を読むと、「ワーク・ライフ・バランス」をビジネス戦略に設定して成果をあげることのできた会社は、「ワーク・ライフ・バランス」をビジネス戦略に設定することができるだけの体力を持った会社、つまり、金のある会社だ。
さらに、世間でニュースになっている「ワーク・ライフ・バランス」の施策を導入しているという会社も、現場レベルでは必ずしもその恩恵は浸透していないということは、この目で見て知っている。
そう考えれると、本書はもっと個人レベルで「ワーク・ライフ・バランス」な行動をすべきだということを啓蒙しているのでは、という目で読むといいかもしれない。自分で「ワーク・ライフ・バランス」な働き方をすればいいということ。社会全体に対して思うのだが、働き方が資本市場に沿いすぎている。そうではなくて、人間に沿った働き方を皆が心がけるようになれば、ずいぶん世の中も変わると思う。とりあえず自殺する人は減るのではないかな。
会社人間が会社をつぶす―ワーク・ライフ・バランスの提案 (朝日選書)
- 作者: パクジョアン・スックチャ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2002/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 28回
- この商品を含むブログ (7件) を見る