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『病院はもうご臨終です』

 女医さんが書いた現場の話。
 最近は「モンスターXXX」という言葉が随所で聞かれたりしてるが、結局のところ「自分がされて嫌なことを人にするな」っていう気配りが欠けてることが原因のような気がしてならない。ちなみにこの言葉は先輩の受け売り。わがままと自己主張の境界ってのは良きにつけ悪しきにつけ曖昧な感じになっていて、この境界のコントロールをできない人が増えてるってことかもしれない。
 医師と患者の関係でも同様。お互いに感情の境界をコントロールすべきだ。患者は「お客様は神様」という気分で接してはいけないし、医師は「俺は先生だ」という気分で接してもいけない。お互いがお互いに配慮する。そのうえで主張する。そして、これはあらゆる業界、特に直接的にひと対ひとの仕事となる現場の全てに当てはまることだ。
 本書を読んで、上記のようは思いを持った。なんとなく聞いてはいたものの、とにかく過酷な仕事だと思う。何が過酷って責任が過度なまでに重いうえに、人員配置の仕方がひどいので肉体的に過労な状況。これには分野によってかなり差があるようだが、こういった負担を医師個人の能力に任せきりな状況は既に限界にきているようだ。これは医療というインフラの危機が迫っているということ。不謹慎だが、タイトルに対してはコミカルな雰囲気を感じていたが、読後は恐ろしくなってしまった。

病院はもうご臨終です (ソフトバンク新書)

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