石田衣良という作家は、ホントに器用な人だと思う。様々なシチュエーションの小説を書く。恋愛とか青春といったものではなく、人生とか人間全体が彼のターゲットなんだろうと思う。
本書は40代の登場人物が、40年という年月を生きてきたことで蓄積された逃れようのない困難や苦しみにぶち当たり、それを乗り越えて次の希望へと生き続けようとする物語。まだ40代ではない人が読むべきだろう。希望も何もないと思うのではなく、生きることで逃れられないものがあるんだということを知っておくことは、きっと「今」にも役に立つはずだ。漠然と。
- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/02/13
- メディア: 文庫
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