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『ルパンの消息』

 リアルタイムなのは捜査と取調のみ。15年前の事件についての事情聴取での回想が紙数のほとんどを占める。最近読んだミステリーの中では、もっとも最後まで犯人が分からなかった。決していい意味ではなく。
 とにかく詰め込みすぎて無理があるように感じた。「やりすぎだろう」と。自殺として片づけられた15年前の女教師の死が他殺だとのタレこみがあり、それを時効ぎりぎりで追う。被疑者は軒並み身柄を確保、あるいは確保同然の状態ではあったが、犯人がわかったのはぎりぎり。逮捕もぎりぎり。という筋なのだが、三億円事件や、その他周辺で起きた事件を絡めまくったため、かえって現実味が無くなってしまった。そんなわけで、あまり楽しめなかったということ。
 あ、ちなみにAmazonでの評価はよいようです。

ルパンの消息 (光文社文庫)

ルパンの消息 (光文社文庫)