久しぶりに「良質な小説」を読んだ、という気分。主要な登場人物は女性のほうが多いのだが、恐らくは男性が読むべき本。子供ができない主人公とその夫、妊娠した夫の愛人という冒頭の構図は、それだけを見ればありがちな現代劇に聞こえてしまうが、そういった印象を感じる部分はほとんど無い。冒頭で血縁者では無いもの同士の関係性を強引な手法でスタートさせることで、おそらく主題と思われる、人間の生き方や考え方を際立たせているよう見えてくるが、それも決して押し付けがましくないところが秀逸だ。と、感じた。あと、付け加えるならば、「泣ける小説」です。
- 作者: 伊吹有喜
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2010/02/16
- メディア: 単行本
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