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富士山頂

新田 次郎
富士山頂 (文春文庫)


 少し古め。新田次郎の奥さんは作家の藤原てい。次男が『国家の品格』の藤原正彦。(出典はココ


)


 山岳小説でもあり、当時の官庁のお仕事ぶりを描いた社会小説(?)ともいえる。そして、タイトルどおり富士山がどういうところかを知ることができる。その厳しさがクローズアップされているが、著者の実体験をモデルに書かれたらしいので、誇張はない。Hiroも昨年まで登るたびに高山病に悩まされているので、そのときの苦しさを思い出しながら読んだ。


 出版年が古い小説を読むのが久しぶりだったので大丈夫かと思ったが、一応、趣味の欄に自信を持って「読書」と書いているだけの「読む力」はついているようで、すんなり読めた。最近の小説に比べるて異なるところといえば、「字が小さい」「漢字が少し多め」。役所の人間関係や山のシーンなどは、不謹慎かもしれないがワクワク感もある。また、最近の企業小説なんかを読む人も充分楽しめると思う。