こういう本はすごく久しぶり。でも、どんなこと書こうかな〜と考えてるうちに、得意の忘却力で内容を忘れてしまいそうなので、とりあえず書いとく。
日本国憲法について、改憲派の論理としてよく取り上げられるのが「押し付け憲法」であるということ。この点についての反論が本書にも多く出てくる。その論証についても納得いく部分が多い。特に強調されるのが、「言葉を大事にする」ということ。これは武力より対話を重視しようという平和主義につながる部分でもあるのだろうか。
自分としては、日本国憲法の成立過程ははっきり言ってどうでもよい、とあえて言っちゃう。少なくとも成立過程を根拠とした改憲・護憲論は、議論のための議論をしているとしか見えない。直視すべきは「なかみ」のほう。「武力を持たない」という第9条が、平和を願うと豪語する政治家の口からなぜ改憲の対象として出るのか理解できない。「現実的でない」という意見もまた論外。現実のほうが誤っているのだから。
政治家やマスコミに踊らされて、「なかみ」をみようとしない国民が多すぎる。自分の周りでも「押し付け憲法」「現実的でない」ということを、さも当たり前のように滔々と語るものがいるが、焦点がずれてる。
改憲でも護憲でもよいが、まず、焦点をずらさないために、著者がひとくせあるとはいえ、一読の価値があると思う。