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『陽のあたる坂道』

石坂 洋次郎
陽のあたる坂道
 本屋で適当に買ったやつ。古き良き時代の女性が主人公です。ここまで複雑な境遇や心理条件の人間をもりだくさんに登場させるとおなかいっぱい。ひとりひとりの登場人物は現実にいるけど、ここまでそろっていることはまずないでしょう。それがかえって退屈です。ただ、「こんな女性がいる時代もあったんだ。」という感想にふけるのにはよい。いい本だけど、仕組まれすぎの舞台設定です。そこを敢えて受け入れると、結構感動できるのかもしれない。一応、青春文学としての評価は高いようですが、例えば宮本輝の『青が散る
』のほうが一枚上手でしょう。