１ポンドの悲しみ

石田 衣良

1ポンドの悲しみ

　久しぶりの石田衣良。難しいめの本を読んでるときのインターバルにはちょうど良いかもしれない。

　著者曰く「「普通」が一番おもしろいんだ」とのこと。本書の内容も普通の恋愛の短編集。学生の頃、川西蘭という作家にはまったことがあるが、本書はそれを思い出すような内容。しかし、少し違うのが、現実離れしていないこと。そして、３０代の大人の恋愛を題材にしていること。登場人物の行動や考え方も「大人」なのだ。そして、現実離れしていないので、余計な重さも無い。妙にＳＦちっくだったり、フシギ系だったりするわけでもない。少し頭を休めるために読んで正解だったと思う。