『チーム・バチスタの栄光』『ナイチンゲールの沈黙』に続くシリーズ三作目。時系列的には『ナイチンゲールの沈黙』とほぼ同時進行の東城大学病院での事件を描く。前作、前々作よりも、『死因不明社会』にあったような著者による医療現場の問題点の指摘や主張もわかりやすくなっているように思う。(三作つづけて読んでいるからそう感じるのかもしれない。)
本作は、内部告発を起点にして医療現場における問題点を露わにしていく、ミステリというよりも社会派といった側面が強い。また、専門知識を蘊蓄するよりも登場人物に語らせる部分が多いため、全体としてすごくわかりやすいし、純粋にストーリーに入り込んで楽しめる。
ちなみに『螺鈿迷宮』は本作の後に位置するみたいだ。シリーズ三作+『螺鈿迷宮』+『死因不明社会』はセットで読むのがおすすめだ。というか、ぜひ読んでほしい。
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チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)
ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)
ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)
螺鈿迷宮 上 (角川文庫)
螺鈿迷宮 下 (角川文庫)
死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)