「村上春樹の小説のどこが好きなのか」という問いに対して、なかなか一言では表わしにくい。過去の小説をひととおり読んで抱いた印象としては「いろいろある」ということ。例えば、本書についていえば、かなり売れているようだが、これを購入した人はこの小説のどういう部分に価値を見出しているのだろうか。もちろん、明確な価値など見出す必要があるわけではないが、読み手によって様々であろうことは想像に難くないので、メディアでは一言でまとめられがちだろうから、実際のところはどうなのだろうかと興味がわく。
自分としては、村上春樹の本書に類する長編小説に対しては、読み進めているうちは面白いと思えるのだが、読み終わった後はぐったりしてしまう感がある。どうしても何かしらのメッセージをとらえようとしてしまうのと、結局それをとらえきれずに難しさを感じてしまうからだ。もちろん、とらえようとすること自体は不要なのかもしれないという考えもあるだろうけど。
本書は、とにかくいろんな意味で読み応えのある、そして、繰り返し読まれることに耐える小説だと思う。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 単行本
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