エンジェル

石田 衣良

エンジェル

　主人公は死人で幽霊。自分の死の理由に記憶がない。それを突き止めようと時間と空間を行き来しながら、過去と現在の事件をかき集めていく。知ればつらい思いをするかもしれない。それでも自分の死の理由に近づいていく。

　タイトル「エンジェル」とは、主人公の生前のベンチャーキャピタルという職業、そして「天使」を意味しているのだろうか。主人公は生前から無私の生き方をしてきたこと、そして死後もまた。。

　ミステリーだと思うのだが、現代社会が舞台ではあるがそれほど社会的に重いものではなく、より人間に即したストーリー運び。ただ、石田衣良らしさというのは薄い印象だった。