登山物かと思ったら新聞記者の話だった。
日航機墜落事故を題材に、新聞記者のさまざまな葛藤を描いたもの。著者自身が当時、地元群馬の新聞記者だったらしい。本書はとにかく熱い内容。とにかく人間の熱い部分がそのまま文体に出ている感じ。感情移入もしやすい。本書は現在と回想が入り混じった構成になっていて、分量的にも熱さ的にも回想部分が占める割合が多い。そのバランスが絶妙だという点でも、その他大勢の同ジャンルの小説のなかでは光っているといえる。こういうバランスのとり方は珍しくないが、だからこそ人気が出るというもの。日常の刺激が欲しいという人にはおすすめの一冊である。
Amazon.co.jp： クライマーズ・ハイ (文春文庫): 横山 秀夫: 本
